高橋博之公認会計士・税理士事務所こうしきブログ

筑西市で会計事務所を経営しながら、中小企業の経営者に有益な情報をお伝えしていきます。

中小企業に監査役は必要?

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昨日、『中小企業における監査役の給料』というタイトルで投稿しました。

 happy-manegement.hatenablog.com

 

本日は、その対処法について投稿いたします。

 

そもそも監査役の業務とは、

・取締役の職務の執行を監査することが役割です。

・ 監査には、業務監査と会計監査とが含まれます。 業務監査は、取締役の職務の執行が法令・定款を遵守して行われているかどうかを監査することで、会計監査は、会計帳簿や財務諸表が適法に作成されているかどうかを監査することです。

 

一方、取締役の業務とは

・対内的には、会社の業務を執行することが役割です。つまり、会社の業務に関して意思決定することです。

・対外的には、会社を代表することです。つまり、契約の当事者になることです。

 

中小企業において、監査役が本来の監査役の業務を行っているのでしょうか?

「監査してる暇があったら、仕事を手伝ってくれっ!」と言われてしまいそうです(汗

 

それでは、なぜ、会社には監査役と呼ばれる役職が必要なんでしょうか?

以前は、株式会社には必ず監査役を置かなければなりませんでした。

しかし、2006年に会社法が施行されたことにより、必ずしも監査役を設置する必要はなくなったのです。

会社法が施行される以前は、商法で規定されていました。)

2006年以前に設立された会社には、監査役という役職が置かれているはずです。

 

現在では、監査役を置かずに会社を設立することが可能です。

また、監査役の廃止の手続きを行うことも可能です。

 

ここで、昨日のテーマに戻ります。

株式会社の役員に対する給与の相場ですが、監査役よりも取締役の方が高額であることが一般的です。

高額な給料を支給していたとしても、取締役の方が監査役よりも、不相当に高額だと税務署に言われる可能性は低いです。

なので、B監査役が、実質的に取締役と同様の職責を担っていたのであれば、監査役を辞任して、取締役に就任させておけば良かったのです。

中小企業における監査役の給料

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今回は、監査役の給料が高過ぎて、一部が経費として認められなかった事例をご紹介いたします。

[平成26年7月29日裁決TAINS F0-2-605関裁(法) 平26-2裁決(棄却)]

 

1.事件の概要

「とある会社A社(質屋業)のB監査役に支給していた役員給与のうち、不相当に高額な部分が経費として認められるか」という事件です。

実際にB監査役に支給していた年間報酬は、平成20年度が1,700万円、平成21年度が2,100万円、平成22年度が2,160万円、平成23年度が1,890万円、平成24年度が1,890円でした。

とても、景気がいい会社ですね。(笑)

 

2.原処分庁の主張

・B監査役監査役の業務を何ら行っていない。

・A社所在県及び隣接県に納税地を有し、A社と同種事業を営む法人で事業規模が類似する会社(6社)に在籍する監査役の給料と比較して高額過ぎる。

 

3.A社の主張

監査役は、監査役の業務に加えて、実質的に取締役と同様の職責を担っており、取締役の給与として判断されるべきである。

 

4.裁決の内容

監査役の役員給与は高すぎるという結果になりました(涙)

簡略化した理由は以下のとおりです、

・Bは監査役として登記されているのだから、監査役として行っていた業務で判断します。

・同業他社(6社)に在籍する監査役の役員給与の平均額と比較すると、B監査役の給与は高すぎます。

 

このような処分を受けないためには、どのような対処をしておけば良かったのでしょうか?

続きは、また明日。

会計事務所の品質って何だろう?

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会計事務所において、品質の高い仕事とは何かを考えてみました。

①知識の習得に努めること

②複数人で相互にチェックすること

③期限までに時間の余裕をもって業務を完了させること

④わかりやすい説明を行うこと

 

『②複数人で相互にチェックすること』に関して、当事務所では以下のような取組みを行っています。

 

従業員ごとにマーカーの色が決まっていて、それぞれが自分の色で書類にチェックの痕跡を残します。

少なくてもトリプルチェック、業務によってはクアドラプルチェックを行っているので、書類がとてもカラフルに仕上がります(笑)

 

一人で業務を行う場合には、能力が高かったとしても、思い込みや忙しかったりすると、どうしてもミスが発生するものです。

また、他人のチェックが入るので、書類も分かりやすく作成する必要もあります。

 

品質の高い業務を行うためには、たとえ工数がかかったとしても、『②複数人で相互にチェックすること』は欠かせないことなのです。

 

『名義株』にはご注意下さい

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会社の株主の中に、出資をしていないにもかかわらず、株主として記載されている方は、いらっしゃらないでしょうか?

出資を受けておらず名義だけを借りている株式を『名義株』といいます。

(株主名簿を作成していない場合は、法人税申告書の別表二『同族会社の判定に関する明細書』に株主が記載されております。)

 

平成3年に商法が改正されるまでは、株式会社を設立する際に、株主が7名以上必要であったため、平成3年以前に会社を設立された場合には、『名義株』が存在する可能性が高いです。

現在は、規制が緩和され、株主が1名であっても株式会社を設立することができます。

 

『名義株』の所有者は、『名義を借りた人』か『名義を貸した人』のどちらでしょうか?

これにつき、最高裁は、『名義を借りた人』つまり、実際にお金を出した人が株主であると判決しています(昭和42年11月17日判決)。

 

相続税の財産は、名義が誰であれ実際にその財産を所有している人に課税されます。

つまり、創業者の相続の際に、この『名義株』は創業者の財産とみなされ、相続財産の漏れが発生することになります。

同族会社のオーナーの調査の際には、『名義株』の調査を必ずと言っていいほど行います。『名義株』により多額の追徴課税を受けることのないように、事前に対策を取っておきましょう!

中小企業における『教育』

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中小企業における新人教育において重要なことは、基礎能力の向上にあります。

基礎能力とは、『読む』『話す』『書く』ことですね。

『読む』『話す』『書く』ことは、全ての業務の基礎となるものですし、どの会社で働くとしても必要なことになります。

 

①『読む』能力の向上

『読む』能力の向上のためには、読書を習慣にさせることがお勧めです。

社会人になれば、最低でも月に1冊はビジネス書を読ませたいものです。

 

ビジネス書は、人生の先達のノウハウ等が「ギュッ」と凝縮されたものであり、それをTTP(徹底的にパクる)ことで社会人としての成長スピードを加速させることができます。

読書を習慣化できたかどうかによって、その後の社会人としてキャリアが大きく変わってくることは間違いないです。

 

 

②『話す』能力の向上

『話す』能力の向上のためには、自分がどのような話し方をしているのかを客観的に気づかせることがお勧めです。

 

『自分が話している声を自分で聞く声』と『自分が話している声を録音して聞く声』が違っていることに気づいたことはありませんか?

なぜならば、『自分が話している声を自分で聞く声』、あなたの身体の中で声が響き渡っているから聞こえるのです。

つまり、あなたは自分の声を聞いているのではなく『感じている』といった方が良いかもしれません。

 

そう、『自分が話している声を録音して聞く声』が、実際に他人に届いている自分の声なんです。

自分の声を録音して、自ら聞いてみることが、『話す』能力の向上のための近道になるかと思います。

 

 

③『書く』能力の向上

『書く』能力の向上のためには、業務終了後に毎日、業務日誌を書いてもらうことがお勧めです。

業務日誌の内容は、業務上の問題点、原因、対策、感想などを書いてもらいもらうことです。

それを他の先輩社員が確認してコメントを書いてもらい、新入社員にフィードバックするようにしましょう。

 

新入社員ができていないところを、いずれはできるだろうと放置するのではなく、逐一、指摘してあげることが重要です。

 

④まとめ

中小企業において、『採用』よりも『教育』に力を入れるべきですが、『採用』において素直な人を採用する必要があります。

なぜならば、素直でない人は『教育』を受け入れないため、『暖簾に腕押し』となってしまうためです。

 

最初は、頼りない新入社員であっても、本気で『教育』すれば絶対に成長します。

あきらめずに、新入社員と向き合っていきましょう!

中小企業では、『採用』と『教育』どちらが重要?

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新入社員の方は4月入社後、研修期間もようやく終了し、現場で悪戦苦闘していることでしょう。

私が考える『優秀な新入社員』とは、足りない能力に自ら気づくことができ、克服する方法を自ら考えだし、克服することに努力を惜しまない人です。

『優秀な新入社員』に対しては、『教育』は必要最小限で十分であり、企業の経営理念を浸透させるだけでメキメキ成長することでしょう。。

なので、『優秀な新入社員』を獲得するには、『採用』がとても重要なポイントとなります。

 

しかし、そもそも優秀な学生が中小企業に応募してくる可能性が低く、多数の応募者の中から優秀な人を選ぶということは、かなりハードルが高いことではないでしょうか。

「うちの会社には、いい人材が来ない。」と愚痴をこぼす暇があったら、社員の『教育』に時間を投入しましょう。

よって、中小企業においては、『採用』よりも『教育』に力を入れる必要があります。

 

では、どのような『教育』を優先して施すべきでしょうか?

それについては、明日、投稿いたします。

粉飾決算は会社の倒産を早めるだけ

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東芝PwCあらた監査法人の対立が収束する気配がないですね。

そこで、本日は「粉飾決算は会社の倒産を早めるだけ」というテーマで投稿いたします。

 

そもそも粉飾決算とは、実際は経営状態が悪くて赤字であるにもかかわらず、黒字であるように決算をお化粧することを言います。

 

粉飾決算が行われる動機は…

①企業規模を越えるような取引先との、取引資格や入札資格を満たすため

②経営者が、経営不振を隠蔽することにより、株主や利害関係者からの信頼を引き続き得たいため

③手持ち資金が不足していて、銀行借入に頼らなければ経営が立ち行かない状況で、追加の融資金を引き出すため

④経営者が自ら行った財テクの失敗による巨額の損失を、株主や利害関係者に知られたくないため

⑤営業部門に課せられた業績目標について、目標の達成をしたと見せかけるため

 

良くある粉飾決算の手口は…

①翌期分の売上を当期に前倒して計上することにより、売上を実際よりも過大に計上する方法

②当期分の仕入を翌期に先送りして計上することにより、仕入を実際よりも過少に計上する方法

③期末の棚卸資産を過大に計上することにより、売上原価を実際よりも過少に計上する方法

④固定資産の一部を遊休資産とすることで、減価償却費を実際よりも過少に計上する方法

 

粉飾決算を行うと決算書上は、黒字決算となっています。

当期に黒字化できないのに、翌期に黒字化できるわけありませんよね。

赤字決算と真摯に向き合って、経営を見直すことなしには、会社の業績が上向くことはありません。

粉飾決算は会社の倒産を早めるだけですよ。