高橋博之公認会計士・税理士事務所こうしきブログ

筑西市で会計事務所を経営しながら、中小企業の経営者に有益な情報をお伝えしていきます。

中小企業の所得拡大税制【27日目】

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実は、従業員の給与をアップさせた場合に、節税できるんです。

節税対策って会社から資金が流出してしまうものが多いですが、所得拡大税制を適用した場合には、資金を流出させることなく税金を減らすことができます。

(人件費をアップさせているという意味では、資金が流出していますが、それは必要経費だとお考え下さい。)

 

所得拡大税制を受けるためには次の3つの要件を満たす必要があります。

【要件①】

当年度給与等支給総額が基準年度(平成24年度)比で3%以上増加

 

【要件②】

当年度給与等支給総額が前年度以上

 

【要件③】

平均給与等支給額が前年度を上回る

 

税額控除額は平均給与のアップ率に応じて2つの場合があります。

①【要件③】の増加率が2%未満の場合

(当年度給与等支給額-基準年度給与等支給額)×10%

 

②【要件③】の増加率が2%以上の場合

(当年度給与等支給額-基準年度給与等支給額)×22%

 

①②いずれの場合でも法人税額の20%が上限

所得拡大税制は地方税での恩恵もありますが、説明が複雑となるなるため、割愛させていただきます。

 

具体的にみていきましょう。

従業員の給与が以下のような会社の場合…

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平均給与を435万円に増額した①の場合(【要件③】の増加率が2%未満)の税額控除額は、

(6090万円-4000万円)×10%=209万円

平均給与を440万円に増額した②の場合(【要件③】の増加率が2%以上)の税額控除額は、

(6160万円-4000万円)×22%=475.2万円

 

比較する年度は基準年度だということがポイントです。

実際は、法人税額の20%で足切りされてしまうケースが多いため、上記の節税効果がまるまる受けられるケースは少ないと思いますが、インパクトは大きいですよね。

 

所得拡大税制を適用しているかどうかは、法人税の申告書に「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税の特別控除に関する明細書」という別表が付いているかどうかで確認できます。

節税対策は色々ありますが、まずは、資金が流出しない節税対策から検討していきましょう。

ちなみに、この所得拡大税制は、平成30年で税制改正される予定です。

従いまして、平成31年2月決算までの会社は、現行の所得拡大税制が適用されます。

次回は税制改正後の所得拡大税制についてご紹介したいと思います。