高橋博之公認会計士・税理士事務所こうしきブログ

筑西市で会計事務所を経営しながら、中小企業の経営者に有益な情報をお伝えしていきます。

中小企業の所得拡大税制(平成30年税制改正)【28日目】

f:id:happy_manegement:20180427172547j:plain

 

前回は、現行の所得拡大税制についてご紹介しましたが、今回は、平成30年税制改正後の所得拡大税制について筆を執らせていただきます。

基本的には、改正前と同様に、従業員の給与をアップさせた場合に、節税が受けられるという制度趣旨に変更はありませんが、要件や控除額について変更されております。

 

所得拡大税制を受けるためには次の2つの要件を満たす必要があります。

【要件①】

当年度給与等支給総額が前年度以上

基準年度との比較要件は撤廃

 

【要件②】

平均給与等支給額が前年度比1.5%以上増加

 

税額控除額は平均給与のアップ率に応じて2つの場合があります。

①通常の場合

(当年度給与等支給額-前年度給与等支給額)×15%

 

上乗せ措置

【要件②】の増加率が2.5%以上の場合で次のいずれか満たすこと

教育訓練費が対前年度比10%以上増加

経営力向上計画の認定を受けていること

(当年度給与等支給額-前年度給与等支給額)×25%

 

①②いずれの場合でも法人税額の20%が上限

 

具体的にみていきましょう。

従業員の給与が以下のような会社の場合…

平均給与を450万円に増額した①の場合(通常の場合)の税額控除額は、

(6750万円-6160万円)×15%=88.5万円

平均給与を460万円に増額した②の場合(上乗せ措置の場合)の税額控除額は、

(6900万円-6160万円)×25%=185万円

 

比較する年度は前年度だということがポイントです。

税制改正前の比較する年度は基準年度であったため、税額控除額が大きく算出できましたが、改正後は前年度との比較ですので、1年間での人件費の大幅なアップは期待しにくくなります。

そこで、重要になるのは、上乗せ措置を受けられる状況を作っておくことになります。

具体的には、「教育訓練費が対前年度比10%以上増加」と「経営力向上計画の認定を受けていること」のいずれかを満たすことです。

『教育訓練費に何が該当するのか?』

『経営力向上計画の認定を受けるためにどうすれば良いのか?』

については、また別の機会にご紹介できればと思っております。

 

税制改正後の所得拡大税制は平成31年3月期決算の会社から適用となります。

平成31年3月期の事業年度は既に開始しておりますので、上乗せ措置をしっかり受けられるような事前準備を進めていただきたいです。